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ニーニちゃん、と呼んでいた野良猫が、
時々姿を見せていた。
かなり警戒心の強い猫なのだけれど、
どこか遠くから人を見ているような、
そんな猫だった。

11月28日、寒い朝、
近所の駐車場で彼女を見付けた時には、
既に来世へと旅立っていった後のことだった
原因は、分からない。

彼女が、捨て猫か、それとも純粋の野良かは分からない。

野良猫というのは、一見気ままに、
 それなりに楽しく暮らしているように
見えるかもしれないが、
餌の確保は不安定で、
冬は寒さ、夏はノミ・ダニに喰われ、
飼い猫と違って「安心して落ち着ける場所」が
確保されている訳でもない。
他の野良猫との縄張り争いも多い。
その上、しばしば「猫の嫌いな人間」に、
酷い仕打ちを受けたりして、
いつもヒヤヒヤしながら生きているように
私には見える

野良猫の生きる環境というのは、
現実的に見て、極めて厳しい。
これから猫を捨てようと思っている人。
お願いだから、猫を捨てないでください。
どうしても飼えない事情が出来てしまったなら、
大変なこととは思うけれど、
どうか、新しい飼い主を捜してほしい。
(それだって猫にとっては辛いことだが、
野良にされるよりは、まだマシなことです。)

ニーニちゃんの冥福を祈る。

終わり