あるところに、xさんという老人がいる。xさんは女性で、明日で93歳になる。しかし実は93.5歳くらいという説もある。真相はわからない。なぜそうなったのかというと、生まれた直後に関東大震災(1923年9月1日)があって、それでてんやわんやで、役場に出生届を提出に行く余裕が、全然なかった、それで、年度が切り替わる直前にというわけで、慌てて3月28日に出生届を出して、それが公式的な生年月日ということになったのだそうだ。本人も含めて親戚一同、誰も、正確な生年月日を覚えていないそうだ。ちなみにxさんは湯河原生まれの湯河原育ち。
で、xさんは夜寝るときに、電気毛布を使う。
それで、xさんの娘さん(といっても93歳の娘さんなので、それなりのお年の方である)が、「夕方にはスイッチを入れておかないと、寝るときに暖かくならないよ」と注意するのだそうだ。
そうするとxさんは、なぜかベッドの電気毛布の下に、電気毛布のリモコンを、そーっと入れておくそうである。
スイッチを入れる、を、何か間違えている。