最近写真を撮っていない


カテゴリー: テキスト日記 | 投稿日: | 投稿者:

最近、写真を撮っていない。
去年、Pen3とE-5という(ある意味では)贅沢なカメラを手に入れながら、撮るカット数はさっぱり落ちている。
E-5の前に使っていたE-3は、仕事上の写真も多かったが、作品取りにもかなり使った。(作品、などというほどのものではないけれど、「商売でない」という意味で、そういう分類とする)多分、買って3年くらいで数千カットは撮っただろう。もっと撮っていたのは、その前のオリンパスE-10というレンズ固定型400万画素感度320までという、今時そんなのありえないでしょうというスペックのカメラだったけれど、中古で400カットくらいまで撮ってあったところから始まって、カウンターが1周した。つまり1万カットを超えた。一度カラーバランスがメチャクチャに崩れて修理に出したけれど、その他は故障しなかった。防水とも防滴とも歌っていなかったけれど、随分雨にも当てたような気がする。
E-10ではスペック的にあまりにも苦しくなって来たので、E-3に買い替えた。E-3は良いカメラだったが、1つだけ弱点があった。それは、なぜか「ファインダーの水準がおかしい」ことで、ファインダーを覗いて撮ると、なぜか水平線が傾く、それも、かなり大きく傾く。修理にも出したけれど満足いく結果は得られなかった。それでも、なんとかかんとか撮っていた。
E-5は良い。水平もきっちり出る。E-3は感度800が限界だったが、1600でもいい絵が撮れる。Pen3に至っては、私は3200までOKだ。なのに、である。E-5を買ってもうそろそろ1年くらいになると思うのだけれど、200カット強くらいしか撮っていないのではないだろうか?
Pen3が、かろうじて700カットを超えたくらいだと思う。

なぜ写真を撮らなくなったのか。
理由は、実はあまりない。

あまり出かけなくなったというのはある。
仕事でも私用でも出かけなくて済むことが多くなり、仕事の写真も、往復の途上で撮るような写真も減っている。これは本当にあった話なのだが、紹介されてからメールのやりとりだけで、電話すらかけることなく、サイトの新規立ち上げを行った案件があった。去年のことだ。連絡手段はメールだけ。それで、ちゃんとプロジェクトが回っていて、私のところにはギャラが振り込まれた。ついに本当にこういう時代が来てしまったのだなあと思う。

撮りたい対象というと、奥さんと猫と花。奥さんは時々撮っているけれど、もしかしたら一時期よりは撮っていないかもしれない。いけないいけない。あと、私、頼まれてもヌードとか撮りませんから。もう裸なんて珍しくも何ともないでしょう、それより、服を来ているのにその人の奥底が写ってしまった写真なんかのほうが、色々な意味で凄いでしょう、撮れないけど。猫は、うーん、ちょっと最近撮っていないなあ。ただ、この近所の野良猫が減ったということはある。一時期は何匹居るのかと思うほど入れ替わり立ち代わり猫が来たが、最近はめっきり減った。うちで去勢手術をしてあげた野良猫も、いつの間にかどこかに行ってしまった。なぜ野良猫が減ったのかというと、実は、大家さんが猫を3匹も飼うようになって、その3匹が強固に縄張りを守っており、なかでも雄猫の「くま」が不審猫の追放に毎日せいを出しているので、それで、猫が来なくなったというのはあるかもしれない。
花。これが最近ダメだ。ここ数年、近所の古い家が取り壊されて、新しい家に立て替えられるケースが増えて来た。新しく住んでいる人は、多分、東京あたりを引退して、のんびり田舎暮らしをしようということで、引っ越して来たんじゃないかなあという気がする。何しろみんな、車がデラックス。で、それは別に構わないのだけれど、立て替えと同時に古い木や植え込みが除去されてしまったりして、花が減って来ているような気がする。
あと、一通り近所の花を撮ってしまったので、毎年同じところに行っても同じような絵にしかならないということもある。徹底して同じ場所を撮るという道も有り得るとは思うけれど、私はそこまで出来ないなあと思う。
じゃあ、遠くに行けば写真を撮るかというと、5月に奈良に行った時には、移動時間が長かったこともあって、せいぜい20カットくらいしか撮っていなかった。

E-5は感度1600まで、Pen3は感度3200まで、私の基準では、鑑賞に耐える絵が撮れる。銀塩の頃、ネオパン400PRESTOを640とかに増刊して苦労していた頃が嘘のようだ。なのにあの頃の方が写真を撮っていた。じゃあ明日から頑張ってバリバリ写真を撮るぞ、とか言ったりも、しませんけれど。私自身は、普通に暮らして普通に稼いで、普通に写真を撮れたらいいなと思っているだけなので。今は「あまり写真を撮らない」時なんだと思う。ずっとこのままかもしれないし、そうでないかもしれない。まあ、ずっとこのままであったほうが、写真器材にお金をかけなくて済むという意味では楽かもしれない。

今、ふと「カメラを全て売ってしまおうかな」と考えてみた。
「それは有り得ない」。

どんなに金に困っても、最低限Pen3は売らない。
写真を撮っていないけれど、撮れなくなるのは、やっぱり嫌だ。