キハ20の記憶


カテゴリー: 写真日記鉄道 | 投稿日: | 投稿者:

先月、ヤフオクでキハ20(の模型)を落札した。
最近ひなに言われて気付いたのだが、私に対して引力を発揮するのはなぜか「キハ」が多いようだ。気動車の普通車。キハが特別に好きというつもりはなく、乗るなら「サロ」=電車のグリーン車=の方が好きなのだが。

キハ20は、30年くらい前には、兵庫県のローカル線に行くと、みんなこれだった。しかも、登場時の2色塗りではなく、この、朱色一色のタラコみたいな塗装だった。国鉄末期の、いかにも「手を抜きました」という感じの、投げやりな塗装だった。

キハ20は、停車中にアイドリングストップなんてしない。アイドリングしっぱなしだ。カラカラと軽い音を立ててアイドリングする。それもまた、味わいの一つだった。
走り出すと、ぐもーん、という重い音とともに、そろそろと、やっとようやく動き出すという感じで、ゆっくりと加速する。というより、ゆっくりとしか加速出来なかったのだろう。180馬力のエンジン。
最近の、キハ20以上に軽量化された車体に300馬力以上のエンジンを積んでいる気動車のような、力強い加速感は感じられない。
それでも、非力なエンジンから「頑張っている」という感じが伝わってきた。坂道でなければ時速95kmまで加速する性能は持っている。

そんな記憶のあるキハ20の模型、これもまた「模型として古いタイプ」に属するというか、30年くらい前からほとんど変わっていない。最近のディティールに凝ったハイグレードな模型から見ると、シンプルな感じがする。けれど、実物の雰囲気をよく捉えている感じがする。価格も割安で有り難い。

キハ20(模型)

キハ20(模型)

キハ20の実物は今、現役で動いているのは、ひたちなか海浜鉄道と水島臨海鉄道だけになってしまった。
昔は全国至る所に見られて「またか」と思ったものだが、今は、おいそれと乗りに行けるものではなくなってしまった。
しかし、まあ、30年前にさんざん乗ったから、今さらもういいか、という気もする。