「涼宮ハルヒの消失」劇場版が、いよいよ今週末に封切りとなる。
ある程度落ち着いてから見に行こうと思っているけれど、それはそれとして、サントラCDが1/27に発売されていた。
サントラといっても台詞等は入っていないみたいで、BGMがまとめられているようだ(Amazonで試聴出来る)。
で、ふと思ったこと。
この映画の中で、おそらく一番印象的に使われるであろう「ジムノペディ」という曲は、ハルヒのオリジナルではなく、昔からある曲ではないか?なら、中古で安いCDがあるはずでは?
で、検索してみたら、やっぱりあった。
試聴もしてみた。
Amazonで試聴して、私が気に入ったのは、パスカル・ロジェという人の演奏だった。中古で875円だった。
おぉ、ハルヒのサントラより安いじゃないか!(私が購入した後、最安値は1200円となってしまったが。)
「涼宮ハルヒの消失」は、既にラノベで読んで、筋は知っている。
ネタバレじゃないかとまで言われたPVの画像を見る限り、原作にかなり忠実に作っていると思われる。
とはいえ、3Dでもなければ、例えば村上春樹の「1Q84」のような現代的な「病の深さ」を探る訳でもない。
環境問題に注意を向ける要素など何も無いし、ある種の世界観を提示するという訳でもない。
普通のアニメといえば、これほど普通のアニメはなかろう。
いや、普通ではないかもしれない。昨年夏の「悪夢の」エンドレスエイトで評判を下げてしまって、マイナスを抱えてしまって、マイナスからのスタートを強いられるという意味で、特殊なアニメかもしれない。
もしかしたら、そのマイナスを解消出来ず、一部のコアなファンにしか受けない、というビジネス上の失敗も有り得る。
そうでなくても、「二期発表」から、時間を引っ張りすぎた。もう旬は過ぎたという感じもする。
そんなハルヒが、劇場版「消失」で失地回復は、かなうだろうか?
それはそうとして、「消失」の、改変後の世界の切ない長門有希の思いは、ジムノペディの響きにぴたりと重なる。
この選曲は、いいなと思う。
ジムノペディという曲に、新しい解釈を添えたといったら言い過ぎだろうけれど、「消失」を見た人たちにとっては、特別な一曲となるだろうなと思う。
で、このジムノペディが、大ヒットしたりしないだろうか?というのが、今日この頃の私の興味深く感じるところだ。
「1Q84」の大ヒットで、ヤナーチェクのシンフォニエッタが5万枚売れたように。
サティのジムノペディが、それまで「どこかで聞いたことがあるような気がするけれどちゃんと聞いたことはないな」という人に、たくさん売れるようになったとしたら、その時、「涼宮ハルヒの消失」は、ある意味での「成功」を収めた言えるかもしれない。
本当は「涼宮ハルヒの消失」って、日常がある日がらりと変わってしまう、そして、日常の中の非日常を主人公が主体的に選んでしまうという、ある意味で「1Q84」以上に、今日的な匂いを含んでいると思うんですけれどね、下手をすると「単なる萌えアニメの一種」として片付けられてしまいそうな気がしてならない。
さて、どうなる、ハルヒ。