天保一分銀


カテゴリー: コイン写真日記 | 投稿日: | 投稿者:

オークションで一分銀を落札した。送料込で2200円。
桜の文様で分類するところの「Pt型」だ。

一分銀というのは幕末頃に通用した古銭で、桜の文様や文字の特徴などから様々なバリエーションがあり、中には希少価値がついて数万円で取引されるものもあるが、特別に希少価値のあるものでなければ、オークションでは2000円から3000円前後で取引されているようである。
実は私は、この一分銀という古銭がちょっと好きである。

一分銀の存在は、小学生の頃、学研の学習雑誌の付録に「古銭のレプリカを石膏で作る」というキットがついていたことがあって、その中に一分銀があったので、それで知った。
実物を買い始めたのは去年あたりからで、比較的安いものばかりを数枚買い集めた。

一分銀は、大別すると「天保一分銀」「安政一分銀」「明治一分銀」があり、時代が新しくなるほど銀の含有量が減っているのだが、明治一分銀は希少価値がついて高値で取引されているようである。
私が興味を持っているのは、価格の割に銀の含有量の多い「天保一分銀」である。純度99.1%。「花降り銀」と呼ばれ、当時の製錬技術では最高に近い純度を誇る。持ってみると、たった8.66グラムなのだが、ずっしりと重みがあって、いかにも「貴金属を持っている」ような気持ちになる。これが幕末の頃には、現在の貨幣価値に換算すると2万5千円から3万円くらいの価値があった。当時の銀の相場から見ても、実際に含まれている銀の価格より高い価値で通用していたが、それは幕府の保証があったからで、今は、通貨として保証されていないほか、銀の価格が1gあたり70円くらいまで下がってきて居るので、銀の価格で計算すると、500円前後の品物ということになる。
それでも2000円前後で手に入ると、これが昔は3万円分の価値があったのか、という気持ちになって、ちょっと得をしたような気分になる。

天保一分銀(Pt)

天保一分銀(Pt)