平塚に保存されているD52


カテゴリー: 写真日記鉄道 | 投稿日: | 投稿者:

平塚美術館に行くついでに、その近くで保存されているというD52を見に行った。
実は、D52の実物を見るのは初めてだ。
国鉄で一番強力であった蒸気機関車。
蒸気機関車というとD51の方が(大量に製造されたこともあって)有名だが、それを上回る馬力を出せるのがD52だった。そんな機関車が、戦時中の物のない時代に製造された。戦後ではないのである。当初は、煙を上方に導く板に木材を使うなど、本当に、ないものづくしの状況の中でこのような機関車が製造されたのは、1つには、海上が封鎖されてしまったため、国内の物流が鉄道中心にならざるを得ないという状況があった。当初はボイラーなども必要最小限の加工で製作したため、トラブルも多かったという。多くのD52は、戦後になって、木材で作られた部分を鉄製に作り直したり、ボイラーを交換したという。

平塚に保存されている403号機は、昭和20年3月に製造され、昭和43年6月まで使用された。
まさに、戦後の復興期を支えるために生まれてきたような機関車であるように感じられる。
D52の晩年は、その大馬力を活かして、坂の多い御殿場線等で使用された。
高度成長直前に、御殿場線の電化によって電気機関車と交替し、引退した。
静かに巨体を横たえるD52は、「311」以降の、これまでにない空気の中にいる私たちに、何かを語りかけているようにも思える。

D52 403(平塚市にて保存)

D52 403(平塚市にて保存)

D52 403の説明看板

D52 403の説明看板