朔が、今日7月9日の午前0:13に、息絶えた。
推定、17歳と1ヶ月。今、飼い猫の平均寿命は15歳という。猫の1歳は人間の4歳に相当する。平均寿命を8歳も上回る大往生だった。
死因は、これも推定であるけれど脳腫瘍。本当はこれはMRIを撮影しないと断言はできない。だが猫のMRIには全身麻酔が必須で、朔は慢性腎不全のため麻酔がかけられない状態だった。緑膿菌感染症による膀胱炎も併発していた。ただ、ふらつく、何もないところに向かって鳴く、失禁するなどの症状から察するに、脳腫瘍を発症していた可能性が高いと、獣医さんからお伺いしていた。思えば数年前から、眠っている時にぴくぴくと震えていることがあった。あれはレム睡眠なのだと思っていたけれど、今思うとそうではなかったのかもしれない。
朔は、死ぬ4時間くらい前から、ぴくぴくと痙攣を起こしていた。その痙攣がだんだんひどくなり、最期は、おそらく脳腫瘍の症状であろうてんかん発作を起こし、薬石の功も虚しく世を去っていった。
最期に私たちは、朔の大好きだったチャオとろみの缶詰を枕元に供えた。夏場には特に大好きだった氷水も供えた。線香がなかったので、代わりに氷水の氷を切らさないようにして、朝を迎えた。本当の通夜式というのはこういうものではなかろうかという気持ちもあった。朝になって、ひなが編んだ、朔お気に入りのマフラーを掛けた。このマフラーが大好きで、よく朔はこの上に乗って、夜も昼も眠っていた。目を閉じた朔は笑っているようにも見えた。猫だから笑うことはなかったけれど、喜怒哀楽というか、感情表現は豊かな猫だったと思う。
さようなら、朔ちゃん。あの世に行ったら必ず会いに行くからね。
あの世、というものが、あったなら、の話だけれど。