CONTAX T2の上手な使い方2(ピント合わせの話)


カテゴリー: テキスト日記写真日記 | 投稿日: | 投稿者:

CONTAX T2について、今年の3月7日に「感度、絞り、シャッター速度」を中心に、上手な使い方の参考例を記した。その後、いつかは書こうと思っていた「ピント合わせの話」を、記してみたいと思う。
特に、CONTAX T2は「ピント合わせに失敗しやすい」と言われることがあるので、その回避策なども考えてみたい。

◎アクティブオートフォーカス
 CONTAX T2のピント合わせは「アクティブオートフォーカス」と呼ばれる方式である。CONTAX T2は赤外線を利用して被写体までの距離を計測する。カメラ本体から赤外線を発射して、その赤外線が反射して帰って来るまでにかかった時間等を計測して、ピント合わせを行う。かつてのフィルムコンパクトカメラではよく利用された方法である。
 これに対して、今のカメラのほとんどや、かつてのフィルムカメラでも一眼レフタイプの多くでは、「パッシブオートフォーカス」と呼ばれる方式を採用している。これは、レンズを通して得られた画像をセンサーで分析して、カメラから被写体までの距離を計測する。(厳密には、コントラスト方式、像面位相差方式、ハイブリッド方式などがあるが、いずれもCONTAX T2には関係ないので説明は省略する)。

◎アクティブオートフォーカスの弱点
 アクティブオートフォーカスは、被写体や撮影場所が暗くて、画像の分析が困難な時でもピント合わせができる反面、カメラ本体から発射した赤外線(他の機種では超音波を使う場合もあるようだが、CONTAX T2は赤外線を使う)が被写体に当たって、それが正確にカメラに戻ってくることを前提としているため、次のような場合に、ピント合わせに失敗しやすい。

(1)被写体が乱反射する。動物の毛皮や、極度に細かく密生した植物など。
(2)あらぬ方向に赤外線を反射してしまう(カメラに戻ってこない)もの。斜めに置いた鏡や、強く反射する円柱状や球状の被写体。これらは赤外線を反射はするものの、カメラに届きにくい。
(3)ピントを合わせたい被写体が、小さいもの。(赤外線が逸れて背景にピントが合いやすい)

◎フォーカシングエリアに正確に被写体を入れる
 CONTAX T2のフォーカシングエリアは、ファインダーの中央に、実線の丸と点線の半円がある。通常は実線の丸のなかに被写体を入れてシャッターを切ればピントが合う。(1)〜(3)に該当しない、広い風景や、普通に赤外線を反射してくれる「ファインダーの真ん中に人物がいる構図」などでは、オートフォーカスに失敗することは少ない。
 だが、次の例では、仮にパッシブオートフォーカスであったとしても、ピント合わせに失敗する。

(4)フォーカシングエリア(ピントの合う場所)に被写体が入っていない場合。

(4)については、一手間を惜しまなければ回避できる。AFロックを積極的に活用することである。

◎AFロックの活用
 ピントを合わせたい被写体が画面の隅にあるような場合には、一旦カメラを動かしてフォーカシングエリアの中に被写体を入れて、シャッターボタンを半押し、次に、撮りたい構図になるようにカメラを動かしてからシャッターを切る。(AFロック)
 動物など、動きが激しい被写体だと、この手は使えない。あきらめて被写体が画面中央に来る構図でシャッターを切るほかない。だが、被写体が画面中央にさえあれば、AFに成功する可能性は高い。私の経験では、画面中央に飛んでいるカモメに、ピントを合わせることに成功したことがある。動きの激しい被写体に、絶対にピントが合わない、とまでは言えない。

(その例↓ AFロック未使用)

CONTAX T2 AFがうまく動作した例・カモメ

CONTAX T2 AFがうまく動作した例・カモメ

 なお、被写体が、おおむねカメラから1m前後以下の近距離にある時には、フォーカシングエリアは「点線の半円」を利用する。
 Googleで色々検索してみると、近距離でなくても「点線の半円の方がピントがよく合う」という記述を見かける。このことに関する真偽については、私は、(T2を使ってきたにもかかわらず)よくわからない。というのも、あまり近距離で撮影することがなかった(風景が多かった)からで、距離が無限大以上になるような写真が多かったせいか、普通に実線のフォーカシングエリアを使っていて問題は感じなかった。

◎マニュアルフォーカスの利用
 (1)、(2)、(3)については、残念ながら「カメラのAFに見切りをつける」ほかない。
 CONTAX T2には、手動でピントを合わせる、マニュアルフォーカス機能がある。カメラ上部の右側のダイヤルに、0.7から∞(無限遠)までの数字が記されている。このダイヤルが、被写体までの距離を設定する機能を持つ。
 CONTAX T2のマニュアルフォーカスは、「被写体までの距離」をダイヤルで設定しておき、シャッターを切った瞬間にレンズを動かし、「設定した距離にピントを合わせる」というものである。一眼レフのMFレンズなら、ファインダーの中で画像がぼけているかどうかでピントを確認できるが、 CONTAX T2では、ピントが合っていなくてもファインダー内の画像はクリアである。この点が一眼レフのMFレンズとちょっと違う。
 なお、マニュアルフォーカス時にもCONTAX T2は赤外線センサーが動作している。そして、「被写体のピントが合っているかどうか」を、ファインダー内の黄緑色のランプの点灯で知らせる。つまり、ピントが合っているかどうかの判定は、AF時と同じである。AF撮影時と同じく「被写体までの距離の計測に失敗している」可能性があるので、黄緑色のランプは参考程度と考えておく。
 つまり、まず目測で被写体までの距離を測って、その目測を元にダイヤルでピントを設定し、補助的に黄緑色のランプによるピント合わせ確認を活用する、ということになる。

◎絞りを絞ればピントは合わせやすくなる
 この方法の難点は、絞り開放(F2.8等)の際に、微妙なピントのずれが生じやすいことである。これはCONTAX T2に限った話ではなく、レンズというものは絞りを開けば開くほど、ピントの合う距離の範囲が狭くなることに由来する。
 だから、(1)(2)(3)に該当する時には、絞り開放で背景をぼかした写真を撮ることは、CONTAX T2では難しいと言える。
 だが逆に、絞りを絞れば、ピントは合いやすくなる。
 マニュアルフォーカス時でも、おおむね絞りをF5.6から8以上に絞れば、絞りの合う範囲が広くなるので、多少のピントのずれは目立たなくなる。ただし、主要な被写体から離れた背景にもピントが合ってしまうが、これはいたしかたない。
 私の実感としては、マニュアルフォーカスで撮影する時には、まず絞りを8以上に絞り、「目測+黄緑色のランプ」で被写体までの距離を設定し、一旦ファインダー内の黄緑色のランプが点灯したあとで、改めてカメラから目を離して目測で距離を確認し、黄緑色のランプがおおむね正しいかどうか判断して撮影すれば、ほぼ問題はないように思う。
 それでは動きの激しい子猫などは撮れないではないかと思うかもしれない。正直なところ、その通りなので、そういう写真は、CONTAX T2の苦手とするところであると割り切るほかないように思う。

◎絞りを絞るために高感度フィルムを使う
 ピント合わせではなく露出(画像の「明るい」「暗い」)にかかわる話になるが、絞りを絞った上で、手ぶれを防ぎやすい高速度のシャッターを切るには、感度の高いフィルムを使わないと難しい場合が多い。晴天屋外では感度400、室内では感度800(感度1600のネガカラーフィルムは販売終了となってしまった)のフィルムを利用することをおすすめしたい。

※こちらの記事もご参考になれば幸いである。
「CONTAX T2の上手な使い方(感度、絞り、シャッター速度の話)」
http://hmk.iijiman.com/mamenikki/?p=6267