私には、1980年代において「3つの後悔」がある。
1つは、別府鉄道に乗らなかったこと。当時、鉄道旅行といえば「国鉄」ばかりに注目していて、味わいのある私鉄をみすみす見逃していた。動いているキハ04に乗ってみたかった。オープンデッキの小型客車に乗ってみたかった。野上鉄道しかり。有田鉄道しかり。どうして乗っておかなかったのかと、悔しい思いがする。いや、どうしても我慢出来ないほど悔しいかと問われると、いや、そこまでは、とも思うのだけれど、そういう私の中途半端な性格が、30年後に後悔の原因となった例であるような気もする。
もう1つは、YMOのライブに行かなかったこと。リアルタイムだったのに。もうあんな大きなうねりは、地球上のどこにも生まれないんじゃないだろうか?と言うと大袈裟過ぎる気もするけれど、あの時、あれが30年後になって、アルバムを聞き返しても「古びない」ものであったとは思わなかった。
もう1つは、好きな女の子に告白しなかったこと。これを正確にカウントすると3つの後悔が7つの後悔になってしまうのだけれど、中学生の頃、高校生の頃、好きになった子が居ても、私は決して告白することをしなかった。出来なかった。勇気がなかった。意気地がなかった。軟弱だった。気弱だった。情けない男の子だった。しかし、この後悔だけは他の2つとはちょっと異なる要素を含む。もし告白したうちの誰かと、その後交際が続いてしまったとすると(いや別れる可能性の方が、普通に考えて、大いに有り得る訳ですけれど)、今の奥さん、ひなさんに出会うという個人史が巡ってこないことになる。それは困る。そして、この後悔があったゆえに、「同じ轍は踏まない」と覚悟して、ひなさんと付き合うようになったというフィードバックもある。だから、この後悔は、後悔しつつ、結果的にこれで良かった、これ以外の道もちょっと困るという、ちょっと複雑な思いもある。けれど、今、中学生とか高校生とかに(説教など垂れる立場ではないことは充分承知いたしてはおりますが)、好きな人が出来たら、とにかく告白しなさいと言いたい。もちろん振られる確率も相当高いだろう。普通はそんなものだ。でも、「あの時告白しておくべきだった」という後悔は、決して後味の良いものではない。
1つ目の後悔である「別府鉄道」は、小型客車はどうしようもないけれど、辛うじて最近、キハ04の実物に触れた。大宮の鉄道博物館で美しく保存されている車両の車内に入って、座席の小ささや壁の木目に感動したりした。
3つ目の後悔である「告白」は、今、ひなさんと暮らしているからOK。
で、残った1つの後悔。YMOのライブに行かなかったこと。
こればかりはどうしようもない。
しかし、ここで私は再び「同じ轍を踏んではならない」と考えた。今こそフィードバック。で、今、「リアルタイムで観ておきたい」と思ったのが、Perfume。
それで、今日、Perfumeのファンクラブに入った。入会金1000円+年会費4000円。ネットで手続き完了。便利過ぎる世の中は、後悔の敷居を少し下げてくれたかもしれない。いや、まだチケットの抽選を当てないといけないという難関はあるんですけれどね。
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