模型を整理しようかと


カテゴリー: テキスト日記鉄道 | 投稿日: | 投稿者:

ここ最近急激に数を増やしているような気のする我が家の(というか私の)鉄道模型であるが、ここへきて、ちょっと整理しようかな、と思い始めている。

以下は、あくまで「私の感想」というだけに過ぎず、これが絶対的な真理だと主張する意図は毛頭ない。

模型の面白さというか、楽しさは、必ずしも「実物の思い出」とは関係ない。
例えば私は、EF15という電気機関車を見た記憶がない。時期的に、たまたま乗っていた列車とすれ違った貨物列車の先頭に立っていた、などということがあってもおかしくはないのだけれど、はっきりと観た記憶はない。でも、深いマルーンの車体から突き出している短いデッキ廻りの雰囲気とか、ツララ切りを兼ねているといわれているひさしとか、そういう造形に、何と言うか、凄く惹かれる。

こないだ買ったトキ21500も、見たことがあるような「気がする」だけで、本当に見たという自信はない。でも、この「蓋付きの無蓋車(むがいしゃ)」という天の邪鬼のような構造とか、黒くて細長いプロポーションとか、何とも言えない味わいがある。貨物列車というのは、今も昔も、同じ形式が何両も繋がっていることが多い(多かった)けれど、模型で少数ずつ色々なカタチのものを集めるというのは、意外に楽しいものだと思った。ワフ29500なんか、たまらないです。半分貨車で半分車掌室。模型も実物同様、赤いテールランプが点くのです。昔の貨車の最後尾ってこれだったよなー、という郷愁もないことはないけれど、それより、模型的に「赤く光るワンポイント」があった方が楽しいという気持ちを感じる。

カタチだけが全てではない。キハ20などは、何と言っても走らせるのが楽しい。
これは、一旦動かなくなっていた模型を修復したという喜びというか自己満足もあるのだけれど、それだけでもない。キハ20は、実物も「1両編成」で走ることが出来た。模型も同じで、1両で走らせてもよし、キハ47とかと混ぜて6両編成とか組んでもよし。
キハ20もキハ47も、実物には随分乗ったけれど、乗った車両だから好きだとか、思い出があるとか、そういう理由で(模型のそれらが)好きな訳ではない。
確かに実車も(個人的に)好きな方ではある。けれど、他のどの車両よりも好き、というほどではない。
実車ではキハ47よりもキハ20よりも、旧型客車の方が好き。
でも旧型客車の模型を買ってみて分かった。私は「このカタチが好きという訳ではないのだ」と。私は実車の「ずっしりとした重々しい雰囲気」が好きだった。あるいは、「キーンと微かに聞こえるサークライン蛍光灯のノイズ」とか、灰皿から漂ってくるタバコの匂いとか、しばしば出会った壁面が木目にニス塗りという「味わい深い」を通り越して「おどろおどろしい」と思わずに居られなかったクラシックな内装であるとか、開けっ放しの窓から入ってくる緑の匂いとか(←夏とかね)、そういったものが総合的に一体となって醸し出す風情のようなものが好きだったのだ。模型にそういった要素があるはずもなく、むしろ、案外シンプルな作りだなという感じで、特別に面白いという感想は持つことが出来なかった。

KATOのキハ20という模型に関して言うなら、発売開始以来40年くらい経っていると思う。そのキハ20、未だに40年前とほとんど変わらない仕様の製品を今でも売っている。現行モデルなのだ。色々な意味で凄いと思う。ディティールなど割と省略気味であったり(床下とか特に)、飾り気のないシンプルな模型であるように思うけれど、これはこれで「カタチ」として成立しているという気がする。ディティールの細かい最新の他社製品と並べてみても、見劣りがするかというと、案外そうでもない。ディティールがおおまかでも、全体の雰囲気が、うまくまとまっているのだと思う。個人的には、破損の心配が少なく、気楽に取り扱えるという点も気に入っている。

で、今、売ろうと思っている車両リスト。

鉄道コレクション「阪神5201形(5203〜)」。子供の頃乗ったなあ、阪急810系とならべて今津駅再現!とか思って買ってみたのだけれど、ごめん、やっぱり私、阪神より阪急の方が好きなんです。今では同じ系列の会社に合体しているけれど。やっぱり「あの当時」は「宿敵」だった訳です。というか、最近阪急1010系をオークションで買ってしまいまして、そうしたら、何だか阪神電車が、居心地悪そうな顔しているような気がしてきたんです。ごめんよ、ジェットカー。

鉄道コレクション「小田急キハ5000」。大手私鉄のキハという珍しさに、つい買ってしまった。実物は乗ったら味わいがありそうだけれど(エンジン全開で小田急線の電車の間を縫って突っ走るとか)、うーん、なんだろうな、今ひとつしっくり来ない。決して悪い車両ではないと思うのだけれど。

鉄道コレクション「羽後交通キハ3」。わーい、萌え米の里のキハ!バスケット付き!と思った。悪い車両ではないと思う。しかし、うーん、微妙に何か違うというか、私の心のツボに来ない。鉄コレは安いので衝動買いしたのが多いなあ・・・

TOMIX DD54。DD54の現役時代は、本当に一瞬見た「かもしれない」程度で、中学生になってから大阪の交通科学館で保存されている姿を見た。昭和40年代の機関車なのに、古さを感じさせないというか、不思議な魅力のある機関車。B-1-Bという独特の軸配置も格好いい(この軸配置は考えてみると、何もDD54だけのものではないのだけれど)。という訳で、オークションで競って競って、やっと落札したんです。友人に貸していたパワーパックを返してもらってからは、走らせてもみました。ちゃんと走ります。ライトも付きます。なのに手放すんですか?と、自分でも思う。
しかし、うーん。何だろう。この「力強さ」を感じるシルエットが、逆に私の心を掴まないのだろうか?DD54に比べて出力が小さく、しかし、DD54より長く活用されていたDF50の方が、なぜか私の心を掴んでしまう。
私の持っているDF50はマイクロエース製の中古なのだけれど、四国仕様で、四国ならではの前面補強があったりして、そういえばこの顔を薄暗くなった新改駅で友達と一緒に眺めたなあなんて思い出もあったりして、しかし、思い出だけでなく今こうして模型を見て見ると、何となく親しみのようなものも湧いてくるという、不思議な機関車。朱色とグレーの2色塗りというのもいいのかも。でもそれならDD51だってそうじゃん、と思う。DD51。まあ嫌いではない。凸型で、造形的にも面白みがあるのは分かる。でも多分模型は買わない。理由は分からないけれど、欲しいという気持ちが、今ひとつピークに達しないのです。それはそうとして、で、DD54。決して嫌いではないのではあるけれど、何となく、手放そうかなあなどと考えてしまったりしている。

今日は、いや、今日も、何だかとりとめもないことを延々と書いてしまった。