今日、朔(猫)を、動物病院に連れて行った。
理由は、ここ数週間ほどのこと、よく吐くようになったので。
猫が吐く原因は色々ある。
(1)体毛を飲み込んだことが原因のケース。
猫はもともと体を舐めて綺麗にする性質があるので、体毛(というか抜け毛)を飲み込みやすい。それが毛玉となって胃にたまって、消化できずに吐いてしまうことが、よくある。アニメ「けいおん!!」で、あずにゃんが、あずにゃん2号(猫)が急に嘔吐を始めて慌てるシーンがあるけれど、ああいう感じ。
ただ、うちの朔は毎日ブラッシングをしているのであまり抜け毛がなく、実際、最近の吐瀉物には、毛玉は全く見られなかった。
(2)胃酸過多、あるいは、胃酸によって荒れた食道や胃壁の炎症。
実は今回の朔の嘔吐の原因は、結論から言うとこれだった。血液検査の結果、「炎症性タンパク質」の値と、「白血球数」の値が高いため、炎症箇所が細菌感染を起こしているのだろう、というのが、獣医さんの診断だった。
実際、獣医さんに持続性のある抗生物質の注射を打ってもらい、それから、処方してもらった胃粘膜保護剤を、自宅で空腹時に与えてみたところ、今日は全く吐いていない。この調子で行けば、今回の朔の嘔吐は収束してくれることが期待できそう。
(3)腎臓の機能低下。
これも、朔は体験している。去年、朔の食欲が落ち、胃液をよく吐くのと、尿の量が多くなっていたので、動物病院に連れて行って血液検査と尿検査をしてもらった。
その結果、各種数値の値から、膀胱炎と、腎臓の機能低下の診断が下された。
血液検査で調べた結果、腎臓が悪いと高くなる「BUN」と「クレアチニン」の数値が高かった。
獣医さんによれば、「BUN」の値が高いと、むかむかして食欲も落ち、吐き気もするという。実際、その時朔は食欲が落ちていて、あまりカリカリを食べず、胃液を吐いていた。
尿からは細菌が検出されたので、(吐き気とは関係ないが)膀胱炎も起こしており、こちらの治療も必要とのことであった。膀胱炎を引き起こしている細菌が腎臓に達すると、さらに腎臓にダメージを与える危険性があるとのことだった。
この時、朔は、1週間毎日動物病院に通って点滴をうってもらい(水分を補給することで尿を多く出し、腎臓や膀胱の細菌を少しでも早く体から追い出す効果があるという)、さらに、抗生物質の飲み薬の処方を受けてこれを1週間毎日与えていくと、やがて朔は吐かなくなってきた。
そこで改めて血液検査と尿検査をしてもらうと、BUN、クレアチニンとも値は正常に復し、尿の比重も正常値になっていた。
これは、腎臓の「残った正常な腎臓が肥大化したと思われる」ことによって機能を、ほぼ正常まで回復していたのかもしれないとのことであった。尿の量は膀胱炎でも増えるとのことだったが、抗生物質が効いて、膀胱炎は治った。
(補足)猫の膀胱炎について詳しいサイトはこちら→http://www.petwell.jp/disease/cat/boukouen.html
(補足)可能性としては、腎盂腎炎であったかもしれない。そうだったとしたら少し救われるのだが。
これについては、詳しいサイトがこちらにある→http://www.konekono-heya.com/byouki/hinyouki/jinu-jinen.html#one
・・・
動物の腎臓は、一度ダメージを受けると、その部分は回復することがなく、不可逆的に機能を損ねていく。これは猫以外の、例えば人間でも同様なのだが、猫という動物は元々腎臓に高い負担が掛かりやすい体のつくりをしている。実際、猫は、年を取ると腎不全で命を落とすことが多いそうだ。
朔は昨年の段階で13歳、もう人間で言うと85歳相当くらいで、お世辞にも若いとは言えなかったので、これはもうダメかと、一時は本気で覚悟した。
・・・
という訳で、猫を飼っている人は「猫は普段からよく吐くんだから、少々吐き続けていても大丈夫だ」などと思わず、吐く回数が多くなった、とか、尿の量(や回数)が増えたなどの症状が見られたら、動物病院(出来れば血液検査や尿検査がすぐ出来るところ)に連れて行くことをお勧めしたい。
・・・
なお、血液検査を受ける際には、血液検査の12時間前から、食事を与えてはいけない。午前中に診察を受けたければ、前日の夕食を食べ終えたら、餌を仕舞って絶食させておく必要がある。そうしないと、食事で摂った成分が血液検査の各種数値に影響を与えるので、血液検査を行っても、正確な診断が出来ないとのことだった。
あと、尿検査に出すための尿は、出た時にお尻の下にお皿などを差し出して取るしかないけれど、細菌感染の具合を見るためには、なるべく診察直前に取れた尿を持って行く方がよい。そうしないと、採取後の尿の中で細菌が繁殖して、正確な診断が難しくなるとのことだった。ただ、どうしても直前に尿が取れそうにない時には、尿をタッパーなどに入れて、採取時間を記録した上で、動物病院に持って行くまで、冷蔵庫で保管(細菌の増殖を抑える)するのがベターとのことだった。
以上、自分の(というか朔の)ためのメモとして。