YMOの中でというより、この世の音楽の全ての中で一番好きな曲を挙げろと言われたら、間違いなくMAD PIERROTを挙げる。2曲挙げていいと言われたら、これにLove the worldを足す。
MAD PIERROTに初めて触れたのは1979年、友人からカセットに落としてもらったUS版のLP。
最初は吐き気を催した。そしてしばらく聞きもしないまま数ヶ月が過ぎたと思う。
その後ある日、ふと聞き返してみて、「これは凄い」と思った。
あれから35年になるのか。
後に日本版のLPを購入し、そちらを聴くようになった。アレンジが少し違う。日本版の方は、藍色の深みを感じさせる奥行きがある。
長年の間、歌詞は「不明」とされてきたが、今ではネットで検索すると出てくるようであるし(ただしあくまで「解釈の一つ」であって、作曲者の細野晴臣氏の公式見解という訳ではないようだ)、初音ミクに歌わせる人まで現れるとは思わなかった。
この曲を聴いてから乗りに行った国鉄福知山線の旧型客車が忘れられない。
あの頃を思い出すと、私はつくづく「だめな中学生」だったと思うのだけれど、それが35年経ってどうなったかというと、「だめな中年」になっただけだとは思う。