以前から思っていることに「乗れる電車には乗れるうちに乗っておこう」というのがある。それで当たったのが、JR東海の371系である。まだ特急「あさぎり」が新宿から沼津まで走っていた90年代半ばのこと。特別な列車というほどではないとは思うが、何しろたった1編成しかない。たった1編成しかないそれに乗るには綿密なスケジュール調整が必要だった。よく覚えていないが、普通車にもグリーン車にも乗ったと思う。苦労した割には今ひとつ印象が薄い気もする。でも乗っておいて良かった。今、廃車こそされていないものの、静岡付近でたまに団体や臨時列車に使われるだけで、乗りたくても乗るのが難しい車両になってしまった。まさか20年弱で事実上引退してしまうとは思わなかった。つくづく、乗れる電車には乗れるうちに乗っておくべきだと思う。その点で失敗したのは、同じ路線を走っていた小田急20000系RSEで、編成が多いので371系と違っていつでも乗れると思っていたのだが、あっさり引退してしまったのはショックだ。
あと乗っておいて良かったと思う車両は、阪急6300系、583系、スハ43の夜行、3段寝台のオハネフ12とナハネ20。オハネフ12もナハネ20ももう引退してしまったし、その他も残っているとは言え、あちこち改造されていて全盛期とは違っていたり、あるいは博物館入りしていたりする(スハ43)。
それと似た話で最近思っているのが、食べられるアイスは食べられるうちに食べておくべきだということだ。これは、アイスという商品が季節や年によってすぐモデルチェンジするために、一度気に入ったアイスに出会えても、二度は出会えない可能性があるということだ。セブンイレブンのいちご練乳氷など、2010年から毎年7月に食べているけれど、2010年のそれと2014年のそれとでは微妙に違う。まあこれはどちらも美味しいのでよしとするが、例えアイスが発売されても、私が体を壊してしまったりしたら、好きなアイスも食べられなくなってしまう。社会情勢が変わって、喰うに困る世の中になってしまったらアイスどころの話ではない。こういう話も、世界情勢が騒然としている今日、あながち馬鹿な考えとも言えなくなって来たことが怖い。
乗れる電車は乗れるうちに、食べられるアイスは食べられるうちに。